司法記者の眼差し(1)

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◎検察官との関係 1

 

 裁判官は中立が原則だ。刑事の裁判官は検察官と弁護人(弁護士)の

 いずれにも距離を保たねばならない。だが、日常の接触は検察官との

 方が圧倒的に濃厚だ。なぜか。
 
 それは検察官と弁護士の数と業務が違うからだ。私がウオッチした

 地方裁判所の管内では、公判を担当する検察官は数人なのに対し、

 弁護士は数百人いる。さらに検察官は刑事事件しか担当しないが、

 弁護士は刑事事件よりもはるかに数の多い民事事件を担当することの

 方が多い。つまり、裁判官の側からみれば、特定の検察官と特定の

 弁護士では審理で顔を合わせる頻度に数十倍から数百倍の差がある。
 
 また、その地裁では刑事は三つの部に分かれており、裁判官はもちろん、

 検察官も部ごとに固定していた。注目されない事件も含めると、刑事裁判官は

 多い日は10件前後を審理する。事件ごとに弁護人は異なるが、裁判官と

 検察官は同じ顔ぶれなのだ。
 
 接触は法廷だけではない。ある時、裁判官室とつながっている書記官室で

 検察官の姿を見た。検察官は書記官と談笑していたが、そこに裁判官が

 通りかかった。さっきまで法廷で四角張った表情でやりとりしていた二人が

 一転、気軽な雑談を交わしていた。

 

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